頭痛を伴う吐き気の原因と対処

頭痛とともに吐き気を伴う人も多いと思いますが、どんな病気が考えられるかご存じですか?良く偏頭痛だけが吐き気を伴うと誤解している人が多いようですが、他の病気が原因の場合もありますので注意しましょう。特に、頭痛持ちの人は、見逃してしまいがちですので、吐き気を伴う頭痛の種類をしっかりと理解しておきましょう。

吐き気や嘔吐は、気持ちが悪くなったり、食道に物が詰まったりした時に起こるものです。つまり、頭痛による不快感が強くなれば吐き気や嘔吐が自然に発生するのは当然のことなのです。しかし、実際に頭痛で吐き気や嘔吐が起こる場合には偏頭痛などの一次性頭痛で吐き気や嘔吐を起こす場合と、二次性頭痛の原因になっている病気で吐き気や嘔吐を起こしている場合の二通りがあります。

一次性頭痛の偏頭痛の症状は、頭痛、吐き気、嘔吐です。二次性頭痛の原因になっている 病気のクモ膜下出血では、後頭部やうなじあたりの突然の激しい頭痛から始まり、嘔吐、意識障害、半身麻痺、失語症などの症状がみられます。硬膜下出血では、外傷を受けてから約2、3ヶ月経過してから頭痛、吐き気、運動麻痺、意識障害、痴呆などがじわじわとあらわれてきます。脳炎では、ウイルスや細菌などが感染し、悪寒、ふるえ、発熱、頭痛、めまい、嘔吐、倦怠感、食欲不振、くびの筋肉硬直、けいれん、こん睡状態など様々な症状を引き起こします。髄膜炎の主な症状は頭痛、吐き気・嘔吐、高熱、めまい、けいれん、意識障害、運動障害などです。脳腫瘍は、腫瘍が脳を圧迫することで引き起こされる症状で、頭痛、吐き気、視覚障害などがあります。緑内障では、目の痛み、視力障害、視野障害、頭痛、吐き気・嘔吐などがあります。

頭痛を伴う吐き気や嘔吐が起こった場合は、コーヒーや炭酸飲料など飲み物や香辛料などの胃に負担のかかるものを控え、お粥などの消化によい食事を少量ずつ食べるようにしましょう。また同時に、速やかに頭痛の原因を取り除く必要があります。一次性頭痛の場合は、抗炎症剤の投与などの対処療法が効果的です。二次性頭痛の場合は、クモ膜下出血や脳腫瘍などの治療に時間が掛かる病気が原因になっていることが多いため、決して自己判断で治療を行なわないようにする必要があります。直ちに専門医の診察を受けて、適切な治療を始めるようにしましょう。


後頭部の頭痛は大丈夫?

後頭部に頭痛を感じる人も多いと思いますが、後頭部の頭痛は肩こりからくる頭痛だと安心していませんか?実は、頭痛は大変奥が深く、同じ後頭部に症状が現れている頭痛でもその発生のメカニズムは異なっています。一概に後頭部の頭痛と言っても、軽い物から重大な病気を疑った方がいい場合まで様々です。

後頭部の頭痛で多いのが緊張性頭痛です。緊張性頭痛はストレス性の頭痛で、長時間のデスクワークによる目の疲れや肩こり、多忙なことによる十分な休養がとれない等により、体が疲れ切った時に見られる後頭部の頭痛です。この時の後頭部に現れる頭痛の症状は、ズキズキと言った激しい痛みではなく、後頭部が重たいと言ったような「鈍痛」の症状が現れます。また、頭全体が締め付けられるような痛みであったり、仕事の後半や夕方に症状が現れることもあります。この場合は、いずれも疲れが原因ですから、首や肩の筋肉のマッサージ、休養や睡眠などで症状を緩和できます。

後頭部の頭痛で危険な病気は、クモ膜下出血に代表される疾患です。クモ膜下出血が起きる直前に後頭部に痛みを感じる場合があります。その頭痛の痛みは、緊張性頭痛の場合と異なり、「後ろから後頭部を鈍器で殴られたような」強い痛みを感じると言われています。この後頭部の痛みは、脳内で出血が起こったために感じる痛みで、併せて不快感による吐き気等を伴う場合も多いようです。このような場合には、さらなる出血を防ぐために、動かさないように注意し、速やかに病院に運ぶ必要があります。

一口に後頭部の頭痛と言っても軽い場合から重篤な病気まで考えられます。自分の痛みの程度を良く把握し、適切に対処しましょう。軽い症状の場合は、マッサージ等により十分痛みを軽減できます。逆に、症状の重い場合はマッサージにより一時的に痛みが和らいでも、あとで痛みや気分不良が増強することもあります。さらに、クモ膜下出血のような脳の疾患の場合はマッサージなどは厳禁で、命の危険に関わりますから、絶対に行ってはいけません。後頭部の頭痛はマッサージで十分と思っている人も多いようですが、決してそんなことではないと理解していただけましたか?しっかりとした頭痛に関する知識を身につけ、適切に対処できるようにしましょう!


目の奥の痛みと頭痛の関係

目の奥に痛みを感じる人はいませんか?目に何らかの異常があると目の奥や頭に痛みを感じることがあります。目の病気による頭痛としては、緑内障によるものがよく知られていますが、目の疲れによる頭痛も多いようです。

目が疲れた時、首の凝りがある時、頭痛などの症状によっても目の奥の痛みを感じると言われます。群発性頭痛と言うかなりの痛みを伴う慢性頭痛でも、目の奥に痛みを感じます。これは、目の後ろを通っている血管が拡張し、炎症を起こすために目の奥に痛みを感じます。また、血管を取り巻く涙腺の作用や瞳孔をコントロールする自律神経が刺激されて、涙や鼻水の症状を伴います。肩こりなどから起こる緊張性頭痛でも同じように目の奥の痛みを感じます。

目の疲れによって起こる頭痛は、疲れ目や眼精疲労と呼ばれています。休息をとることで目の奥の痛みや頭痛が治る場合を疲れ目、休息をとっても目の奥の痛みや頭痛、目のかすみが残る重い症状を眼精疲労と呼びます。眼精疲労は、目の奥の痛みや頭痛の他に、目の充血やかすみ、視力の低下、体の痛みや胃の痛み、便秘や食欲不振を起こすこともあります。眼精疲労が進行すると、イライラや不安感、うつ状態へと発展することもあり注意が必要です。対処法としては、点眼や目を温めたり冷ましたり、マッサージなどにより血行を良くすることが効果的ですが、充血が続いたり、頭痛や目の奥の痛みがひどい、視力の低下を伴う等の症状が重い場合は、眼科医の診察をお勧めします。

緑内障は、多くの場合無症状ですが、急性緑内障では突然眼圧が高くなり、頭痛が起きて目が非常に痛くなります。発生率は全緑内障のうちの50分の1と低いのですが、気を付けておきたい目の病気です。通常の緑内障は、ジワジワと視力が低下し、ほとんど無症状で、仮に症状があっても目が疲れる程度であるため、発見が遅れがちです。頭痛と目の痛みでもいろいろな病気が考えられますから、症状に応じて適切な処置に心がけましょう。


頭痛に効くツボ

頭痛は、急性から慢性、危険性がある頭痛から危険がない頭痛までその症状や原因はいろいろです。運動、ストレッチやツボ・マッサージにより痛みを緩和できる頭痛もありますが、脳等の病気による頭痛では、逆に痛みを増加させたり、症状を進行させる場合もありますので、ツボによる痛みの緩和が有効な場合を正しく理解しましょう。

体質による頭痛、いわゆる「頭痛持ち」と言われる慢性頭痛の偏頭痛や緊張性頭痛では、ツボの刺激によって頭痛の痛みを軽減あるいは解消することができます。頭痛に効くツボは、ズバリ「太陽(太陽)」「百会(ひゃくえ)」「風池(ふうち)」です。これらのツボを朝夕各1回、2〜3分刺激することで痛みを軽減、解消できるばかりか、偏頭痛が起こるのを予防することもできます。

太陽のツボは、目尻と眉の間から若干後頭部へ移動したくぼみがある部分です。太陽のツボは、疲れ目や眼精疲労に効果があり、目の疲れからくる頭痛の緩和・軽減に効果があります。百会のツボは、頭の最も高い部分で、万能のツボと言われています。全身の気の流れが出会う場所とされ、気が集中するツボで百会と呼ばれ、頭痛の他に神経過敏や眠気解消にも効果があります。風池のツボは、耳の付け根の後ろのくぼみがある部分です。風池のツボを指圧することでズキンズキンと痛む偏頭痛の予防に効果的です。

慢性頭痛は現代医学でも完治できない一生の病気と言われていますが、ツボの刺激により軽減・解消できるばかりか、予防することも可能です。もちろん、頭痛を起こす直接的な原因を取り除くことが根本的な解決法ですが、現代社会で生きている限り、全ての原因を取り除くことはなかなか簡単ではないでしょう。ツボの刺激により、少しでも症状の緩和・予防に役立てて下さい。


めまいと頭痛の関係

頭痛を感じる人にめまいがある場合や、逆にめまいがある人に頭痛がある事はよくある事です。それは、一般的なめまいの原因が睡眠不足や過労、神経の使いすぎによるストレスが溜まって起こるからです。この原因は他の病気、特に慢性頭痛を引き起こす原因とほぼ同じであるため、「たまたま頭痛とめまいがした。」と片付けてしまわれがちですが、中に重篤な病気の場合もあります。

めまいとひとくちに言っても、めまいの症状によりいろいろな種類があります。自分自身がグルグル回ったり、周囲がグルグル回って感じるのが、回転性のめまいです。頭や体がグラグラ揺れている感じやフラフラする感じが動揺性のめまいと言います。また、体がフワフワする感じや宙に浮いたように感じるのが浮動性のめまいです。その他にも病気と連動して特別な状況下で起こるめまいもあり、特に頭痛を伴う場合が多いのが慢性頭痛や脳の病気に起因するめまいですから、めまいの状況を理解する事で病気を診断する上での参考になります。

回転性のめまいは、内耳の障害の場合が多いようです。動揺性のめまいは、脳幹部分の障害が考えられます。また、激しい頭痛を伴う場合は、脳腫瘍や脳梗塞、脳血栓の場合もあります。最も頭痛を伴いやすい頭位性のめまいや加齢、高血圧、低血圧、寝不足や疲労によってもめまいと頭痛が起こります。これらの頭痛とめまいは、自律神経の乱れを正すことにより、軽減・解消できます。

乱れた自律神経をリラックスさせるためには、休息が一番です。その他にも甘いものや油物を避け、野菜を多めに取る事で血流が改善されます。また、刺激の強い味付けも脳を興奮させるので控えましょう。注意が必要なのは、カフェインの摂取です。偏頭痛や緊張性頭痛の緩和のためには適度のカフェインは有効ですが、めまいを伴う場合は、脳を興奮させてしまい逆効果になる場合があります。めまいを伴う頭痛の場合は、めまいと頭痛双方の症状を良く確認して、対処することが重要です。


頭痛持ちは生理の時に頭が痛い

偏頭痛持ち人は、生理の時に頭が痛くなると言われていますが、生理と偏頭痛にどんな関係があるか知っていますか?生理前から整理中に頭痛に悩まされる人が多いと言われています。元々男性に比べて女性の方が頭痛になり易く、女性の頭痛の約半数は生理によるものだそうです。

頭痛が生理の時に起こる原因は、女性ホルモンと関連した生理のメカニズムによるものです。生理が近づくとエストロゲンと言う女性ホルモンが急激に減少し、偏頭痛を起こすと言われています。エストロゲンの変化が脳を興奮状態にし、脳の防衛反応として出す血管拡張物質が血管を拡張するとともに、様々な物質が染み出してきて、炎症を起こし偏頭痛が起こると言われています。

生理による頭痛発生のメカニズムを理解しておく事で、偏頭痛を予防することができます。また、自分の生理と偏頭痛のパターンを認識しておく事で、ある程度症状を緩和させることができます。ですから、よく発生のメカニズムを理解し、自分のパターンを把握して、偏頭痛の予防と軽減に努めましょう。

生理痛と頭痛を抑える多くの鎮痛剤には、共通に作用する効果があり、痛みが始まる前に飲んでおけば効果的です。また、ストレッチなどで血行をよくするだけでも改善できます。また、食生活の工夫でも頭痛回避に効果があると言われています。頭痛を誘発するチョコレートや血管を拡張させる赤ワイン、カフェイン飲料は避けましょう。ぬるめのお湯にゆっくり入ってアロマオイルでリラックス等自分に合ったリラックス方法を探して見てください。


妊娠中に起きる頭痛

妊娠とともに現れる症状として、つわりは一般的ですが、同様に多くの女性が頭痛を訴えています。あるアンケートの結果では約4割の方が妊娠中に頭痛に悩まされたそうですが、本当に妊娠と頭痛には関係があるのでしょうか?

基本的には、妊娠が直接の原因となって頭痛が起こることはないようです。一般的にはホルモンバランスの変化が関係して、その弊害として頭痛が起こるとも考えられています。生理に伴う頭痛と同じように、妊娠初期に女性ホルモンのエストロゲンのが分泌され、血管を拡張する事で痛みを感じるようです。ですから、血管拡張性頭痛と同じようにガンガン、またはズキズキ痛むとも言われています。

いずれにせよ、妊娠と言う状態に体と気持ちを慣れさせるために、バランスを取ろうとする弊害として頭痛が起こるようです。よって、妊娠に伴う頭痛はストレスと変化が原因となって起こる緊張性の頭痛である事が多いようです。ただ、頭痛が余りにも酷かったり、長引くようでしたら、高血圧の兆候であったり、その他の病気も考えられますから安心してはいけません。

妊娠中の頭痛では、鎮痛剤を使うの事は避けましょう。頭痛を軽減し、予防する一般的な方法を紹介します。原因を取り除くために、先ずはストレスを溜めず、休息しましょう。動作はゆっくりし、血流不足を補います。また、血糖値を安定させ、新鮮な空気を吸う事や頭のマッサージも効果的です。これらの方法で軽減・解消しない場合は、病院へ相談して、妊娠中でも利用できる薬等を処方してもらいましょう。


こめかみの痛みと頭痛の関係

こめかみと頭痛には密接な関係があります。特に、慢性頭痛にこめかみの痛みが見られたり、こめかみの痛みから頭痛に発展する事が多いようです。

こめかみの痛みを伴う頭痛として一般的なものは、片側(両側の場合もある)のこめかみから目にかけて痛む偏頭痛です。その他にもこめかみに痛みを感じた場合、群発頭痛も考えられます。群発頭痛の場合は、こめかみから目にかけて激痛が数時間毎日続けて起きるとともに、目が充血したり、鼻水などの症状も伴います。こめかみから肩にかけて重苦しく感じる場合は、緊張性頭痛の場合があります。緊張性頭痛は、肩こりからくる事が多いので、肩の凝りをほぐす、ストレスを解消する事が大切です。

こめかみの痛む頭痛には、頭痛全体に占める割合は約1%程度と極めて低いのですが、脳の病気等による場合もあります。こめかみに痛みが現れる代表的な病気は、脳腫瘍、クモ膜下失血や慢性硬膜下血腫などが考えられます。いつもと違う痛みを感じたら、速やかに受診をお勧めします。

こめかみの痛む頭痛で最も多いのは、やはり偏頭痛です。特に、頭痛でこめかみが痛みだした時に、目に入る光が眩しく、チカチカと不快に感じたら偏頭痛の可能性が高いと思われます。この様な場合は、暗い部屋で安静にし、刺激を避けると共に十分な睡眠やストレスを減らす等により痛みを改善できます。また、自分にあった鎮痛剤の服用や血行をよくする事やストレッチ等によっても解消できます。


子供の頭痛に要注意

子供の頭痛の原因で多いのは、風邪(ひどい風邪で髄膜炎を起こして頭痛の症状が現われていることがあります。)やインフルエンザ、頭蓋内出血(頭を打ったときなどにおきます。)、副鼻腔炎、中耳炎、虫歯、目の異常(近視・遠視・乱視など)、アレルギー(花粉症や食物アレルギーの症状として頭痛が起きることがあります)、脳腫瘍などです。

しかし、あまり知られていませんが、子どもにも片頭痛が起こります。原因がはっきりわからない、偏頭痛や緊張型頭痛のような慢性頭痛で子供が頭痛を訴えた時は、大人と同じように、体の根本から頭痛を考えてみる必要があります。

子供は頭痛をうまく表現できないこともありますから、子供の頭痛は周りの大人が注意することが大切です。子供の頭痛が長い間続くならば、医師に相談しましょう。また、頭痛薬の使用方法にも注意を要することはいうまでもありません。子供の頭痛に大人用の頭痛薬を飲ませるのはいけません。大人に効果があっても子供には向かない成分を含む薬もあるからです。子供の頭痛には子供用の薬を飲ませましょう。そして、子供に市販薬を飲ませるときは、服用年齢と用法・用量を十分確認しましょう。また、インフルエンザにかかっているときには飲んではいけない頭痛の薬がありますから、医師によく相談することが大切です。

片頭痛は体質的要因に環境的要因が加わって起きるといわれ、偏頭痛のある子供は車酔いする傾向が高いともいわれています。子供の頭痛は体の異常の警告信号ととらえて、子供の頭痛の原因を突き止めて適切な対処・治療をすることが大切です。


血圧と頭痛の不思議な関係

高血圧と頭痛には、どのような関係があるのでしょうか?高血圧の症状として頭痛、頭痛の原因として高血圧、と言うふうに、高血圧が頭痛を直接引き起こしているかのように言われています。しかし実際は、そのようなことはありません。

高血圧が重症化したり長期間続いたりすると、合併症として脳にさまざまな症状が発生することがあります。そのような場合には頭痛や吐き気などの症状が出ますし、重度の場合には脳浮腫によりひどい頭痛や吐き気、嘔吐なども現われ、直ちに治療をしなければいけなくなります。高血圧は無治療の状態で長期間放置すると、さまざまな合併症を発症し、生死に関わる場合もあるので、注意が必要です。

高血圧は無症状で、特に頭痛や目まい、耳鳴りなどの症状を引き起こす訳ではありません。その分、合併症として非常に怖ろしい病気を発症してしまうので、放置しておくことは危険です。高血圧によって血管が硬くなり動脈硬化を引き起こします。この動脈硬化が脳の動脈で起きると脳梗塞になります。また血管が破裂することによって、脳出血を起こすことにもなります。このような動脈硬化が心臓で起きれば、心筋梗塞や狭心症になりますし、腎臓で起きれば、腎臓が機能障害を起こします。つまり、高血圧で最も注意を要するのは、合併症ということです。高血圧が頭痛などの症状の直接原因ではありませんが、高血圧の人がひどい頭痛を感じたりするようになると、脳で何らかの合併症が発症したことを疑った方がいいでしょう。

正常血圧の人でも精神的ストレスや興奮が原因で血圧が高くなって頭痛の症状が出ることがあります。また、急激な運動、精神的緊張や興奮による一時的な血圧の上昇が原因で頭痛を感じることがあります。血圧が上昇した後の値が正常血圧の範囲内でも、血圧変動の幅が大きいと頭痛が起きやすいといわれています。これは、急に血圧が上昇して脳の血管内の血液量が急に増えて血管が拡張して神経が刺激されて頭痛として感じると考えられています。このような一時的な血圧の上昇は、原因がなくなると通常は血圧が元に戻り頭痛もなくなります。


頭痛と耳の意外な関係

頭痛と耳の意外な関係をご存じですか?体のバランスは、目や耳や筋肉や関節などで、集められた体の位置や動きに関する情報を脳が統合して、体の各部に指令を出すことで体のバランスが保たれています。一度そのバランスが崩れると、めまいや頭痛、手足のしびれや麻痺などの症状として現れてきます。

めまいのみ、または手足のしびれや麻痺、視力や言語の障害が見られる場合なら、神経内科か脳神経外科に受診した方がいいようです。動悸、息切れなら内科、肩こりや倦怠感、頭痛のなどに様々な症状であるなら内科か心療内科へ受診、めまいのみ、もしくは吐き気や強い吐き気、耳鳴りや難聴、耳閉感するというのなら耳鼻咽喉科かめまい外来、神経耳科・平衡神経科というところに受診するのがいいでしょう。

頭痛が起こるということは、時に体調不良から来る場合もあります。寝不足だったり、風邪を引いていたり、これらが原因で頭痛になることもあげられます。また、肩凝りがひどくなり、肩の筋肉ががちがちになってしまい、頭痛がしてくるケースもあります。これらの原因は結構知られていることですが、ほかにも頭痛には原因があります。例えば、激しい光を受けた時に頭痛が起こります。また、あまりの大きな音や、不快な騒音で頭が痛くなることもあります。普段から頭痛からしやすい方は特に気をつけて、目、耳を守ってあげることを意識したほうが良いでしょう。

また、頭痛と耳の意外な関係として、耳たぶの上にある頭痛帯を刺激することで、頭痛を軽減できます。頭痛帯は、耳たぶの上にあるちょうど軟骨の出っ張った部分に位置し、頭に関連するツボが集中している場所です。このツボを親指と人さし指で耳たぶをつまんで揉むか、1本のツマ楊枝を使って刺激するのも効果的です。


偏頭痛にコーヒーは有効か?

片頭痛にはコーヒー(カフェイン)が有効だとする説、コーヒー(カフェイン)は依存症になり危険だとする説の賛否要論が巷に溢れているようです。さて、どちらが正しいのでしょうか?まずは、カフェインの一般的作用を見て見ましょう。

カフェインには、脳の働きや感覚を高める中枢興奮作用があります。これは、眠気や倦怠感の解消に有効だと言われています。また、筋肉を収縮させる骨格筋への作用があり、これにより疲労を軽減すると考えられています。さらに、肝臓の血管を拡張させ、尿の生成を増加させて、尿を増やす利尿作用もあります。

さらに、心筋の収縮、脈拍、拍出量を増加させる心筋への作用や脳の血管を収縮させる脳血管への作用があります。実は、この脳血管への作用が血管拡張型頭痛である偏頭痛の痛みの軽減に効果があると考えられているのです。

ただし、コーヒー(カフェイン)の取り過ぎは、かえって頭痛の原因になる事があります。カフェインの含まれている飲み物、コーヒーは嗜好品でありながら習慣になりやすく依存症になる場合があります。片頭痛を和らげる為に摂取したカフェインが知らぬ間に、カフェインを取らないと頭痛を発症すると言うような事が起きてしまうという事です。結局、コーヒーなどのカフェイン飲料は、適量を摂取する事が重要だという結論です。


気圧と頭痛の意外な関係

偏頭痛患者さんの中には、明日の天気をピタリと予想できる人がいるといいます。それは気圧の谷が接近してきたとき、寒冷前線が通過したときなど気圧の変化が頭痛を引き起こすからです。

気圧の変化がなぜ頭痛を引き起こすかは、正確なところはわかっていません。しかし、飛行機に乗っていて気圧が変動するときに頭痛がしやすいことなどから、関連があることは予測できます。最も考えやすい理由は、気圧が下がると脳の血管を押さえていた圧力が下がるため、血管が拡がりやすくなるというものです。この頭痛が起きた時の対処方は、痛み止めの服用、酸素の吸入、体(首筋など)を冷やすなど拡張した血管を収縮してしまえばいいわけです。

気圧の変化で頭痛が起きやすい人は、季節から言えば冬により多く頭痛が起きると言います。それはもう一つ別な要因として「冬季性うつ病」が関与している可能性があります。これは冬になると日照時間が少なくなり、それがメラトニンの産生異常を起こし、集中できない、やる気が起きない、頭が重いなどの症状をきたします。冬はもともと日照時間が少ないうえに、天候が不順で太陽が照らないとますます調子が悪くなるのです。この対策としては太陽が照っているときに、とにかく太陽の光を浴びることです。

以上まとめると、気象の変化によって頭痛を起こしやすい人は、片頭痛の予防法をよりまじめに実践する、日光にできるだけ当たるなどが必要だと言うことです。つまり、規則正しい生活を心がけ、適度な運動で屋外に出る、きちっとした生活のリズムで朝日を浴びると言うことです。